ポール・セザンヌは、「デッサンとは見たものを構成することに過ぎない 」と書き、デッサンの実践が彼に 「よく見ること 」を教えたと信じていた。 セザンヌはほとんど毎日絵を描き、自然の景色を見るために丘や密林にハイキングに出かけ、妻や息子、自分の似顔絵、自宅やアトリエにある瓶や水差し、果物など身近な題材に何度も立ち戻り、暴力的な場面も牧歌的な場面も想像の中から思い描いた。その結果、水彩と鉛筆で描かれた作品は、彼の最も先鋭的な作品であり、躍動感あふれる静物画、プリズムのような風景画など、彼の象徴的なモチーフを新鮮な即物的感覚で表現している。 本書は、セザンヌの紙上作品を網羅し、その画業の発展をたどり、テーマと主題を明らかにし、制作方法を探求し、最終的にはセザンヌのヴィジョンを形成する上でドローイングが果たした本質的な役割を明らかにする。 MoMA / 184ページ / ハードカバー / 267 x 229 mm / 9781633451261 / 2021年