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アメリカのアーティスト、リチャード・セラ(1938-2024)は、工場や製鉄所を自身のスタジオの「延長」と呼び、大規模な彫刻を生み出すために必要なプロセスとして認めている。彫刻家の伝統的な孤独な芸術的技巧は、重工業の中核をなすエネルギーと労働集約的な工程に取って代わられる。セラにとって、このような作業方法との相互作用が新たな作品を生み出すことは珍しいことではなかった。
本書では、セラの彫刻の構想や制作にしばしば同行した、ドイツ人写真家のディルク・ライナルツ(1947-2004)による作品集である。彼の微妙な階調のモノクロ写真は、表面的な効果を狙うことなく、圧延工場、鍛冶場、最終的な鉄鋼加工の独特の雰囲気をとらえている。ライナルツは、セラの個々の彫刻要素の制作過程と、完成した設置された作品の両方を、抑制と自信を同居させた説得力のある画像で記録している。
Steidl / 168ページ / ハードカバー / 300 x 240 mm / 9783969993422 / 2024年