








本書は、リチャード・セラのドローイングを集めた一冊であり、掲載された作品群は彼の先駆的な彫刻作品とは独立した活動でもあり、またそれと関連した活動でもある。
セラは当初、紙にインク、木炭、リトグラフ、クレヨンで制作し、彫刻と鑑賞者の間の関係性を探る手段としてドローイングを使用していた。その後、彼のドローイングは、コンセプト、素材、スケールにおいて大きな変化を遂げ、自立した作品となっていった。
黒の絵の具で描かれた壮大な70年代の「インスタレーション・ドローイング」は既存の空間を遮ったり、補完したりすることを目的としており、やがて部屋全体を占めた作品群であった。80年代後半には、重さと重力の緊張感を重ねて表現し、最近の作品ではジェスチャーと絵の具が紙へ移る様子を探求している。
60年代後半から2000年代までのドローイング作品が収録されている。
The Menil Collection / 230ページ / ハードカバー / 305 x 250 mm / 9780300169379 / 2011年