1953年に創刊されたグラフィックデザイン誌のアイデア。
本書はその第389号で、韓国で行われた女性デザイナーによる意欲的なプロジェクト・展示企画の紹介を起点に、日本、アメリカ、ヨーロッパの新旧女性デザイナーたちによる実践を紹介している。
しかし、本特集に登場する女性デザイナーたち全員が、意識的にジェンダーの問題と対峙しているわけではない。
これからのグラフィックデザインの可能性を考えるうえで、女性や男性といった括りを設けることは、それ自体意味をもたない行為であり、デザインの作り手も受け手も、括弧付きのスタイルや、括弧付きの何かに縛られる必要はない。このような”当たり前”に立ち戻り、社会に対してどのような問いを立てていけるのか、デザインの真価が問われている。
誠文堂新光社 /204 ページ / ソフトカバー / 297 x 225 mm / 2020年